弊社では、単品での加工依頼が多い難削材の加工も手掛けています。これらの難削材は切削条件(回転数、送り速度、刃物形状、切込量、切削油)を把握することに経験値を要し、さらに同一の材料であってもロットにより材料の状態が異なることから。自動機による加工にはリスクを伴います。その点、弊社では汎用切削をメインとしており、豊かな経験と豊富な知識で加工を行います。
加工実績・対応可能な加工
画像(加工実績) | |||
対応可能な加工サイズ | φ10~φ50(ただし、φ100位までは加工が可能です) | ||
実現可能な加工精度/表面粗さ | 《精度》穴の公差 E~Gレベル、軸の公差 d~fレベル 《表面粗さ》Ra1.6 |
||
備考 | 他の材質と比較して加工が難しくありません。 |
お見積りやお問い合わせは、お気軽に下記までご連絡ください。
インコネルの特徴
インコネル(Inconel)とは、ニッケルを主成分とし、添加元素としてクロムや鉄、ニオブ、モリブデンなどを含む超耐熱ニッケル合金です。添加元素の成分量が異なる、インコネル600やインコネル625、インコネル718、インコネルX750などの種類があります。耐食性にも優れた合金ですが、同じニッケル合金である「ハステロイ」と比べると、耐食性には劣り、高温特性には優れる傾向があります。価格は、ハステロイと同程度で、代表的なステンレスである「SUS304」の数倍と高価です。なお、インコネルという名称は、「米スペシャルメタルズ社(Special Metals Corporation)」の商標です。
インコネルは、高温強度や耐酸化性、耐クリープ性といった高温特性に特徴があります。常温の強度についても一般的なオーステナイト系ステンレス(SUS304)に比べて優れていますが、特に高温強度が高く、高温に長時間曝されたインコネルはステンレスの強度を大幅に上回ります。高温下での空気や燃焼ガスなどに対する耐性(耐酸化性)も高く、例えば、インコネル600はおよそ1180℃まで高い耐酸化性を維持します。高温下において持続的に荷重がかかることで起こる変形(クリープ)も発生しにくい合金です。
インコネルの用途
インコネルは、種類によって異なるものの、優れた耐熱性や耐食性を活かした用途が多くなっています。ここでは、代表的なインコネルである、インコネル600、インコネル625、インコネル718、インコネルX750の用途についてご紹介します。
インコネル600は、耐酸化性が高く、塩化物イオンが原因で起こる応力腐食割れにも耐性があります。そのため、高温酸化環境となる、工業炉や熱交換器、蒸発器などに使用されています。また、多くの酸性・還元性の酸に対する耐性があることから、化学・食品工業用にも用途があります。
インコネル625は、高温下での強度や靭性、疲労強度に優れ、孔食や隙間腐食、粒間腐食にも強い耐性があります。孔食が生じにくいため、海水に触れる設備や機器の部品にも使用されています。公害防止設備や原子力廃液処理装置など、高い耐食性を活かした用途でも採用されます。
インコネル718は、高温・低温に関わらず、機械的性質に優れ、応力腐食割れやクリープも起きにくい合金です。また、溶接性が良好で、溶接割れの心配もほとんどありません。そのため、ガスタービンやロケットエンジン、スペースシャトル、原子炉の部品など、高温下で高い強度を必要とする製品に用いられます。
インコネルX750は、約700℃までの温度において引張強さやクリープ破断強度、耐酸化性に優れた合金です。インコネル718と類似した用途が多く、主にガスタービンや原子炉部品、圧力容器などに用いられています。
インコネルの切削性
インコネルは、強度が大きく、熱伝導率も低いため、非常に被削性が悪い合金です。また、加工硬化が生じやすく、刃物に溶着しやすいことも切削加工を困難にしています。
インコネルは、そもそも、高強度であるため、工具が摩耗しやすく、寿命が短くなりがちです。さらに、加工を進めていくと、加工硬化によってますます高硬度となるため、より被削性が悪化します。そのため、切削条件の最適化はもちろん、こまめな工具の交換が必要となります。
また、熱伝導率が悪いために熱が蓄積しやすく、これも工具寿命を短くする原因となります。素材が高温になりやすいため、仕上げ面が悪化することもあります。
さらに、高温になると、切り屑が刃物に溶着して絡まり、工具が損傷してしまうことさえ起こります。そこで、蓄積した熱の冷却及び切り屑の処理のため、適切な切削油の選定と投入が重要となります。
インコネル加工なら日逓テクノ工業へ
インコネルをはじめとした難削材の加工を行うためには、何と言ってもその材料に対する加工経験がどれくらいあるかが重要となります。日逓テクノ工業では、これまでに難削材の調達・加工・溶接・組立を数多く経験しています。
顧客からの図面に見慣れない材質の記載があった際に、当社のことを思い出していただければ幸いです。コストや納期が厳しい場合でもお気軽にご相談ください。